病院のこと
貯金なんて全然ありません。借金がちょっとあるくらいです。 でも節約したり貯金したりする気は全然ありません。 欲しいものは少しのおこづかいと自分の時間。 4年前、大きな病気をして、何ヶ月か入院して、病棟の中には亡くなる方もありました。 入院してきた時は元気そうな人たちが、あっという間にやつれ、わずかな期間のうちに身も心も 病人になっていくのです。 「入院するとよけい病気がひどくなる」と人に話しても「ちょうど具合が悪くなる時期だったんだろう」 と言われるだけ。いつも脱走したかった。このままここにいると自分も死ぬと本気で思った。 それでなくても病人なのに、窓も開けれず空調の空気しか吸えない。 食事は冷たいと苦情があったのだろうか、ウォーマーに入れられ温められ、 生ゴミがくさりかける臭いを発している。 それでなくても寝てばかりで体調が弱っているのに、検査検査の毎日。 食事を2回もぬいたり、下剤を1リットルも飲まされたり、血を何本も抜かれたり、 健康な人だって絶対弱ることを次々とやらされるのだ。 そのうち一時退院を認められ、何度か入退院を繰り返したのち、 『また2週間後に(入院に)来てください』と言われたまま、それっきりです。 今は大きな病気をした、と人に話してもいぶかしがられるくらい元気。 心の中では『人間、あした死ぬかも知れないんだ』と思っているから、 悔いのないように。 会いたい人には会う。 食べたいものは食べる。 行きたい所には行く。 お金は借りれるけど、時間は借りれない。 そーいうポリシーになっています。 まぁ主婦として実生活もあるんで、長年行きたいと思っているトルコにも 行けないでいるんですがね。 2000年7月23日 |