ぎんざ まぐろや 築地店 2004.8

まぐろやと言ってもまぐろばかりではなく、普通の寿司屋にあるネタはある。
お店は思いのほかすいていた。20席ほどのカウンターがあり、端の方に座った。
板さんは、不機嫌なのか、目を合わせないで壁を見ている。
食べ放題でお願いします、と言ったが、何も説明してくれない。…?…と待っていると まぐろを3種類握って出してくれた。
食べ終わっても、注文を聞いてくれるわけでもない。 壁を見ている。
息子が「〆鯖ください」と言うと、握ってくれた(当たり前か)が終わるとまた壁を見ている。 どんよりした雰囲気を発している睡眠不足の痴漢みたいな板さんだ…
もっとも奥の板さんと、真ん中の板さんは普通の人のようだ。

壁にかかっているフダに「インド鮪中とろ」と「本鮪中とろ」があるので、 「インド鮪中とろ下さい」というと、「今日はパキスタン鮪です」と言われる。
その後、「本鮪中とろ下さい」というと、「今日は本鮪ではなくて、ミナミ鮪でやらせてもらっています」と言われる。
……?
「じゃあミナミ鮪の中とろ下さい」というと、握ってくれて、
「はい、インド鮪中とろです」と出してきた。
「ミナミ鮪とインド鮪は同じもんなんですね」と言うと、「そうです」と答え、
後は口の中でぶつぶつ言っている…
「コハダを下さい」、と言えば「今日は光りものはさんまでやっています」と言われる。
こっちは客なのに、なぜ失言したような気分にさせられるのか…
そういえば1回、息子の寿司を私が注文して、私のほうに出して来たのを「こっちに」と息子のつけ台をさしたら 「えっ…」と一瞬、あわてていた。何?と見ると「いや、わさびが…いや大丈夫…」と口ごもる… なんだか嫌な雰囲気だ。
この板さんは何が気に入らないのかと、 顔色を伺っても、目を合わさず、壁を見ている。
息子も幼いながらにいたたまれない雰囲気を感じている。
とりつくしまもないが頑張って、 あさっての方向を向いている板さんに「今日は息子の誕生日なのでお寿司を食べに来たんです」と言った。
せっかくの誕生日なのに。ハレの日のお寿司なのに。 板さんがなぜか私のことが気にいらない、そのせいで息子がかわいそうで泣きそうだった。

帰るとき、先に他のお客さんが出ていったので、手があいた真ん中にいた板さんが息子に、 お誕生日なの、何歳?などと少しかまってくれた。


ぎんざまぐろや 築地店
 鮨食べ放題
 土祝11:00〜19:30
 ¥3,045(税込)
 制限時間なし 予約不可

中央区築地6-8-10 小柴ビル1F
3248-2751


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